2013年11月9日

闇の一党の新人3


ドヴァキンが固く勃ち上がった一物をベッドの上の女の顔に突きつける。

 
「どうぞ私の口をお試しください、聞こえし者」
察するまでもなく男の強烈な欲望を受け取った女は、唇を開いて差し出した。



新人の女にとって、男に精を吐かせる要諦は欲望を満たしてやることだった。
所有欲、支配欲、征服欲…。男の欲望を理解し従順に振る舞うことで満足を与え、肉体的な快感をそれに加えれば、さしたる間もなく男は空虚になり、無防備な殺しの標的となる。
その点、ドヴァキンが発する欲望はあまりにあからさまで、自分の身体を使って虜にすることも可能なはずだと女は思っていた。


ドヴァキンは遠慮なく開かれた女の唇に肉棒を挿し入れ、腰を進めた。女は目を閉じ、聞こえし者の肉体が自分の口内を、舌を押し分けてくる感触を受け入れた。

- 大きい…

夜母に認められて闇の一党を率いる偉大なる聞こえし者。その男の陰茎を口内に戴き、結合して一体となっている。思わず陶酔に浸りそうになるが、あくまで性技の訓練中であることを思い出し、新人の女はドヴァキンの様子をうかがいながら頬を上気させ、やや眉をひそめて苦しげな目線を送った。
男のたくましさに圧迫されて苦しいながらも、思うままに扱われることで感じてしまうのを自分でもどうしようもない、といった風情である。

こうなると男は、征服感に酔いながら女の口を傍若無人にファックし、女を汚し支配したつもりで放出に至り、その実、女の虜と成り果てるのが常であった。


しかしドヴァキンは射精のためのストロークには入らず、女の唇、舌、頬、喉の具合を測る様に位置を変えながら抜き差しを繰り返した。新人の女は、ドヴァキンが純粋に快楽を得るための動きをせず、むしろ道具の感触を確かめる様に扱われ戸惑っていた。

ドヴァキンはやがて女の口から陰茎を引き抜きベッドに横たわった。
あえて攻守交替し、新人の女に性技を用いてみよと促す。



女はそれから指で、口で、そして表情と声で、横たわるドヴァキンの屹立した肉柱を絶頂に導こうとあらゆる手管を弄した。ドヴァキンはそれを満足気に受け入れ、肉柱の先からは先走りの液体が滲むものの、射精に至る様な切迫感は微塵も感じさせない。

 
 
先走りの透明な液体を丁寧に舌で拭い清めながら新人の女は、満たしても満たしても底知れないドヴァキンの性欲に怖れを抱き始めていた。


やがてそれにも飽いたのか、ドヴァキンはついに動いた。
やすやすと体勢を入れ替えると女を組み敷いて下着を剥ぎ取り、陰門を亀頭で擦り上げる。
女は声にならない声を上げた。

- 駄目…やっぱり聞こえし者には全然敵わない…

畏敬してやまない男が欲望を剥き出しにして、固く大きくいやらしい性器を突きつけてくる。自分はその男のためなら身体も、心も、一命をも投げ出す覚悟でいるのに、男は自分をただの道具としてより長く、深く快楽を味わうためにいい様に使い続けている。
そんな状況に女の理性はとっくに限界を越え、あまりの快楽に全身が溶けてしまいそうだった。



そして新人の女は正面から挿入された。

「ふっ、あっ、あぁっ…!」

先に口を犯された時と同じ圧迫感が、身体の中心をぐんぐんと昇ってくる。もはや性技の訓練も、男の欲望を満たすことも、何も考えられず、ただひたすら嵐の様な男の責めに揉まれ、晒され、苛まれながら、連続的な快感に流されているしかなかった。


ドヴァキンは身をはがすと女を四つん這いにさせ、後背位で再び交わった。女の部分を差し出した獣の体勢となったことで、自らが男の快楽のための道具と化したことを一層思い知らされる。


男は陰茎を包み気持ち良く吐精するための「モノ」を求めている。自分はそれにぴったりの「モノ」だ。すべすべで柔らかく、突き出た部分を掴めば適度な弾力で応える。そして陰茎をしっとりと濡れた部分で包み込んで心地よい締め付けを与え、男の耳を快くくすぐる鳴き声を発する。


生まれて初めての倒錯的な悦びにむせぶ新人の女の脳裏に、その時、ある映像と声が入り込んだ。


- 女よ…お前は今こそ真に、我が一党に迎え入れられるのだ
- 聞こえし者に道具として仕えよ。そして闇の一党の意を世に知らしめよ

- 夜母よ…あぁ、光栄です。私は聞こえし者の道具となります。この身の七つ道具も、心も、全て聞こえし者と一党に奉げます

夜母とのほんの一時の邂逅を終えた新人の女を、バックスタイルで突き入れられた男根からの、マグマの様に熱く激しい射精が待ち受けていた。


 
「あぁー、イク、イクー!」

思わず絶頂の鳴き声をあげた新人の女は、性技のイニシエーションを終え、聞こえし者の意を受けて動く闇の一党の一員として、また聞こえし者の無聊を慰める道具として、これから一生、忠実に務めることを心に誓っていた。

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