2016年2月2日

エリシフ5 上級王の帰還


ソブンガルデを彷徨うトリグ。
生前はスカイリムの上級王だった人物である。
彼の心を占めるのは今や未亡人となった、年若い妻のエリシフのことだった。
叛逆者ウルフリックとの決闘に正々堂々と臨み、そじてシャウトによる衝撃で死を迎えた後、その魂はソブンガルデに迎えられる資格を得た。


だが妻に対する未練の気持ちがトリグを惑わせ、英霊たちの宴に加わることを妨げた。薄明の世界を取り返しのつかない鈍い悔恨の情を胸に彷徨うトリグは、まさに亡霊と化そうとしていたのだった。




だがある時、女の声が耳に入った。
空耳か、自身の心が作り出した幻聴だろうとトリグは思った。
だが悲しげなその声と吐息は繰り返し聞こえてきた。トリグの歩みは引き寄せられるようにそちらへと向かってゆく。


現世との境がいずこにあったというのだろう。いつしか彼は霊体のまま、かつて自身が統治していた街を漂うように進んでいた。


「私には貴方の支えが必要なの…たとえひとときでも、貴方の逞しい胸に抱かれて全てを忘れさせて…」


聞こえてくるのは間違えようもない、愛しい妻の声であった。
トリグはその声に導かれ、懐かしきブルーパレスの、かつての夫婦の寝室の前にたどり着いたのだった。


閉じられたままのドアを音もなく通り抜け、彼はついに愛しき若妻の姿を前にした。
記憶にあるよりも丸みと量感が加わり女らしさを増した姿態。豪奢な下着がわずかに覆う滑らかな肌は夜の薄明かりの中でほのかに色付いている。


ベッドの端で腰掛け寂しげに俯いていたエリシフが顔を上げると、濡れた瞳に驚きと喜びの色が宿った。

「いらしてくれたのね!」


ベッドから立ち上がり駆け寄ってくるエリシフ。

- エリシフ! 私は今帰ってきたぞ!


亡霊となりブルーパレスに帰還したスカイリムの上級王トリグは、長きに渡る悪夢から覚めて天に昇った様な歓喜を味わいながら、妻を抱きしめるために両腕を大きく広げた。


だが……。
トリグの両腕は空しく広げられたまま、エリシフは走る速度を緩めずに正面からトリグの霊体を通り抜け、その背後の暗がりから滲みだす様に現れた、仮面を被った男の胸に飛び込んでいった。

「ご主人様……3ヶ月もいらっしゃらないなんて…ずっと…待っていたわ…」


呆然とそれを眺めるトリグ。

- あの男は何者だ?! あんな怪しげな風体の者に、エリシフは……エリシフが……!!


先ほどトリグの身体を通り抜けすれちがっていったことからも、エリシフには霊体となったかつての夫の姿が見えていないのだろう。混乱の極にあるトリグを置き去りに、愛しげに仮面の男の身体を撫でるエリシフ。


やがて慣れた手つきで男の腰の覆いの留め紐をはずして黒々とした陰茎を露出させると、ごく自然にその足元に膝を折り見上げる姿勢をとった。

「ご挨拶……いたします…」

細い顎をこころもち上げて整った美貌を男に差し出す。
男の身体がわずかに動くと、既に固く屹立した肉柱がエリシフの艶やかな唇の前に突きつけられる。


- チュッ

エリシフは赤黒く膨れて先走りの粘液を滲ませる亀頭の先端に可憐な唇を寄せ、音高くキスを捧げた。
そして右手を肉柱に添えて唇を亀頭部に押し当てたまま、奉仕の口上を述べる。

「私の身体に備わった女らしさは全てあなたのためのものです。この指も、唇も、お尻も、胸も、お好きな様にお使いになってください。そして私に、男性にご奉仕する雌の悦びをお与えください」

- 何だ、これはいったい! エリシフはどうしたというのだ!


トリグの妻であったとき、エリシフは貞淑を絵に描いた様な女だった。男の性器に口をつけるなど決してするはずがなく、トリグ自身も一度たりとてその様なことはさせようとしたこともなかった。
だがあの男は強要するでも頼み込むでもなく、エリシフの方から跪き嬉々として男性器へと口付けたのだ。トリグには眼前の光景のいっさいが理解不能であった。


エリシフは未だ陰茎に唇を寄せながら、せわしなく視線を動かして仮面の男の挙動を見ていた。
まるで男の欲望の矛先がどこに向かうのか、女の柔肉のどこを使って楽しみ、どこに欲望を浴びせたいのか、読み取ろうというように。

「今日は私の……胸をお使いになるのですか?」

- 「胸を」? 「お使いになる」? そのような下賎な真似を、上級王トリグの妻たるものが行うものか!

どのような手管を使って仕向けたのかは知らないが、あの清楚なエリシフにそんな言葉を口に出させただけでも驚きだとトリグは思った。だがエリシフの次の言葉にトリグは更に驚愕した。


「わかりました。どうぞこちらへいらして……」

エリシフは立ち上がり微笑むと、優しげに男の手を取り部屋の奥へと歩き出したのだった。


エリシフは仮面の男の欲望を正確に読み取った。商売女がする様に、乳房の膨らみで男性器を挟み込んで擦れということなのだろう。
妻の以前にも増して美しく豊かに波打つ双乳を目にした今、霊体であるトリグでさえ、そのような下賎な行為に惹かれ渇望する気持ちが己の中に芽生えるのを意識せざるを得なかった。

- エリシフ! それを! その男に! 私達のベッドでやらせるというのか!?

トリグの血を吐く様な叫びはエリシフの耳に届かず、必死に訴えかけるその姿も目には映っていない。


その場に居ない者の様に扱われるトリグの前で、最愛の妻がかつて自分と睦み会ったベッドへと、自分ではない男の腕を取り誘おうとしていた。


ベッドに横たわるエリシフは甘える様に男へと両手を指し伸ばし、トリグにとって聞くに堪えない誘い文句を口にした。

「女の乳房は赤子にミルクを与え育むためのもの。でも私の胸はその前に、ご主人様にご奉仕するための性器です。どうかご主人様の固く逞しいもので…ここを犯してください」


- やめるんだ、エリシフ! お前はつけこまれている! 上級王の妻ともあろう者が自分を貶める様な真似はするな!

ソブンガルデから霊体となって舞い戻ったトリグの必死の呼びかけも空しく、エリシフはたおやかな肢体を無防備に横たえて男に蹂躙されるがままになるのを待っていた。


ベッドの端へ仮面の男が脚をかけた。逞しい男の体重でギシリ、とベッドが軋む。
トリグとエリシフだけの、夫婦として結ばれた二人だけの秘め事を行う場であったベッドに、股間のものを怒張させた見知らぬ男が遠慮会釈もなく土足で踏み込んでいく。


エリシフの上に男の身体が馬乗りに覆いかぶさり、がっしりとした腰が沈み込んでゆく。
男の切っ先がまろやかな乳房の曲線の合わせ目に押し当てられ、白い柔肉をやすやすと押し退け深々と突き立てられてゆくのが、二人を背後から見ているトリグにもはっきりと分かった。


「あ…はぁぁ…」

エリシフの口から熱い吐息が漏れ、男が腰を動かし始めた。

パイズリ奉仕は通常、男性が一方的に快楽を貪る行為である。乳首や陰部への愛撫を組み合わせたり、男性の満足する姿を目にすることによって、女性もそれなりの快感を得ることはあるが、陰茎を胸乳でしごき上げるその行為自体は女体への直接的な刺激を喚起するものではない。


「あっ、あっ、あふぅっ、ご主人…様…」

だがこれまで幾度となく行われた乳房性交の末、彼女の乳房、ことに男根で擦り上げられる谷間側の皮膚は、性器と呼ばれるにふさわしい性感を備えるに至っていた。
間接的な乳首への刺激に影響されたものか、まるで肉棒を挟み込んだ部分全体が乳首であるかの様な強烈な刺激を受け、身悶えるエリシフは女の部分がしとどに濡れそぼり、パンティーを汚してゆくのを留めることができなかった。


エリシフを責め立てる様に前後運動のストロークが早まってゆく。男の股間の太槍が隆々と反り返り、猛り狂って白く滑らかな柔乳を蹂躙していた。
かつてトリグがエリシフと慎ましやかな房事を営んだ夫婦のベッドが、仮面の男の傍若無人な激しい腰使いでギシギシと軋んでいる。


- エリシフ! お願いだ、もうやめてくれ!

いくら叫んでもエリシフに届かぬ、霊体となった夫の声。
この世に深い未練と後悔を残した死者の霊がその姿や声を生者に現すことは、決して稀な出来事ではない。のみならず、亡霊となった者がなお剣を執り魔法を操り果たされなかった妄念を遂行しようとすることすらあるのだ。


だが最愛の妻の、自分以外の男との痴態を目にしたトリグの霊体は完全に打ちのめされ、今や風前の灯のごとくいっそう存在感が希薄となっていた。それはトリグという人間の精神の、優しさや誠実さと裏返しの脆さ、弱さだったのかも知れない。

目にしたくなかった光景をまざまざと見せつけられながら、己がここに居ることに誰にも気付いてもらえない。それはトリグにとって、何も知らずにただ妻を想い嘆いてソブンガルデの原野を彷徨い歩いていた時よりもいっそう深い悪夢であった。


「あっ、あふっ、あぁん…ご主人様、私はもう……」

男女の行為がフィニッシュに近づく時の切迫感が漂いつつある中、エリシフが陶酔し切った声で絶頂が近いことを告げた。
恥も、プライドも、体面も、すべてをかなぐり捨てて心からの屈服を告げてしまえること、それによりいっそう深い悦楽に浸れることが、自らを雌に貶めて男に奉仕する者の特権である。


「あっ、ご主人様の…固いもので、私…息の根を止められてしまいそう…あっ、あぁっ、いぃっ、イク、イっちゃいますぅっ…!」

エリシフの嬌声に合わせ、仮面の男は思う存分に豊かな乳房をつかみ上げ、止めを刺す様に大きく腰を使った。
後戻りのできない絶頂に追い込まれながらエリシフは、乳肉の間で男のものがひときわ太さと固さを増したのを鋭敏な肌で感じ取り、官能の高みに押し上げられていった。


「あっ、ああぁっ、イクぅー!」

- ドピュドピュッ、ドピュッ、ピュッ、ドクン……

女が絶頂の声をあげた瞬間、魅惑の谷間に深々と挟み込まれた太幹から白濁した液体が噴出し、ソリチュードの至宝、上級王トリグの未亡人たる女性の美貌を汚していった。


「あ…あぁ……ご主人様…こんなにいっぱい…濃くて熱い精液をかけていただいて…私、幸せです…」

長い睫毛の下で潤む瞳を、彼女の乳房に陰茎を挟ませたまま見下ろす男に向け、エリシフは心からの充足感とともに、隷属の言葉を口にするのだった。


- …………………………

トリグはエリシフが深い快楽の淵に溺れてゆく、その心の底からの歓喜の声を最後まで耳にしていた。
またエリシフの長くかたちよい脚が切なげによじれ、その上に圧し掛かった逞しい男の背中が小刻みに痙攣して、思うさま欲望を吐き出してゆくのを目の当たりにした。
全てが終わった時、見知らぬ仮面の男と妻が肌を触れ合わせて横たわるベッドの足元で、トリグは膝をつき声もなくうなだれていたのだった。


もはや思考すら霞がかかった様におぼろげとなる中、ただ妻の顔をもっと傍で見たいという心の奥底の偽りなき想いに従い、ぼんやりとしたトリグの姿が立ち上がりベッドの脇へとまわっていった。
トリグが生前目にした、エリシフの数々の喜びの表情が頭をよぎる。

- ドレスを仕立てた時
- ルビーの宝飾品を贈った時
- スイートロールを口にした時
- トリグと婚礼をあげベッドを共にした時


今正面から向き合った最愛の妻は、誰とも知れぬ男の白濁でべっとりと汚されている。
舌を伸ばして口元の精液を舐め取ろうとしている上気したその顔は、トリグの記憶にあるどんな表情よりも美しく輝き幸福そうに見えた。


トリグの意識がそのまま遠のいていく中、エリシフがかすかに呟いた。

「トリグ……あなた……?」

6 件のコメント:

  1. 初めまして、今晩は。

    待望のエリシフの投稿楽しみにしておりました。

    私も近い内にスカイリム旅日記を始めるのですが非常に参考になります。

    灰色地区の画SSは最も刺激されました。

    目指すは先にいらっしゃるのでこれからも参考にさせてください。

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    1. ボッシー様、はじめまして。
      コメント頂きありがとうございます。妄想過多のこんなブログですが、楽しみと言っていただけて嬉しいです。
      すごくアートな感じの旅日記になりそうですね。始められたら是非、こっそり拝見させていただきたいです。

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  2. 今晩は、ボッシーです。

    灰色地区 4の画像は改めて見ても衝撃強いです。

    画像を一枚紹介のために使わせていただけませんか?

    まだ旅に出る準備も出来ていませんが私のドヴァキンの旅日記です。

    http://fh2016.blog.fc2.com

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    1. 旅日記拝見しました。
      まずタイトルにニヤリ。大学であれこれして、ドラゴン倒して、吸血鬼倒して、先輩ドヴァキン倒して……。一人エターナルチャンピオン状態。
      (エロ)ってついてましたので、喜んでこちらからもリンクさせていただきました。
      画像についてはどうぞお使いください。18禁でない画像への、直接リンクということですよね?

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  3. Kuma(盗賊魔術師)2016年2月15日 15:17

    おおぅ、これは次回が待ち遠しいっ!!
    トリグの前で完膚なきまでにアヘ堕ちするのか、それとも壊れてしまうのか……。

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    1. Kuma(盗賊魔術師)様、コメントありがとうございます^^
      次のお話で、エリシフ&ブライリング編は完結できると思います。
      乞うご期待w

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