2015年5月17日

闇の一党の見習い


- しまったぁ……

ドール城内、帝国軍衛兵の宿舎でむくつけき男たちに取り囲まれたメイド服の少女。
若返ったリッケ特使を元通り老け顔に見せるための化粧など、身の回りの世話をするための小間使いとして送り込まれたアベンタス・アレティノであった。

アレティノはまた闇の一党の見習いでもあり、闇の一党の幹部であり殺しの技術のトレーナーであるバベットから、

- ドール城の中で帝国の兵士さんたちを殺せる隙があるかどうか観察しなさい。上手にできそうだったらひとりくらいなら殺しちゃっても良いわ

との指示を受けていた。暗殺稼業の実践的な演習というわけである。


そこで深夜、短剣を手に兵士たちの寝所へ入り込んだところ、見回りから戻ってきた衛兵のひとりにあっさりと見つかってしまったのだった。




「君は……リッケ特使付きのメイドじゃないか。なぜこんな時間に?」

寝ていた兵士たちもベッドから起き出し、訝しげな顔に取り囲まれてしまった。何か言わなければという思いに駆られ、とっさにこの場にいない兵士の名前をあげてでまかせを口にする。


「あ、あの……えっと……ヨハンさんに後で来る様に言われて、それで……」

それを聞いた兵士たちは顔を見合わせて口々に話した。



「何…? この娘はヨハンとそういう関係なのか?」

「ヨハンの奴はさっき見回りに出て行ったが……」

「畜生、ヨハンの野郎、抜け駆けしやがって」

アレティノはその隙にそっと手にした短剣をスカートの中の隠しポケットにしまう。


やがて兵士のひとりが嫌な笑いを浮かべながらアレティノに話しかけた。

「君がヨハンと何をするつもりだったか知らんが、こんな夜中に宿舎へ忍び込んできたことはすぐにでもテュリウス将軍やリッケ特使に報告せねばならん」


アレティノの背中に冷たい汗が伝った。そんなことになればドール城にいられなくなるし、持ち物を調べられて短剣が見つかれば処罰されるかも知れない。ご主人様にもバベット様にも顔向けができなくなる。


「だがな、今ここにいる俺たちが、君とヨハンがしようとしていたことをしてしまったら、もはや我々も同罪だ。そうなったら報告できなくなってしまうな」

「そうそう、いったいナニをするつもりでここに来たんだ?」

アレティノは女っ気の少ない駐留帝国軍で寝起きする男たちの妄想のたくましさに呆れながらも、話を合わせるしかなかった。


「それは……彼、すごく溜まって苦しいって言ってたんです」


「だから……お口で……ぬ、抜いてほしいって」


「みんな寝てるからそうっと、その……すれば、バレたりしないからって……」


男たちは少女の口から発せられた期待通りの回答に色めき立った。

「このドール城の中でそのような行為に及ぼうとは実にうらやまし……いや、いやらしい奴らだ」

「俺にもやらせ……いや、やめさせるべきだろう」

「だが……溜まって苦しいのはここにいる全員同じだ」

「ああ、どうしたものか……」


男たちがじっとアレティノを見る。可憐なメイド少女を逃れられない窮地に追い詰めた上で、少女が次の言葉を自ら口にするのを今か今かと待ち構えていた。


選択肢はなかった。アレティノはただ自らの行動を露見させないため、再び男たちの欲望が期待し思い描く通りの答えを口にしたのだった。


「あの……お願いです、内緒にしてください」


「皆さんの溜まったものを、僕が……お口で……抜きますから……」


「気持ちよくなっていただける様に一生懸命……しますから、だから許してください」



兵士たちは頷き合うと、一斉に鎧を脱ぎ捨ててギンギンに勃起した肉棒をメイド少女に突きつけた。
アレティノはこの場から逃げ出してしまいたくなる気持ちを、ご主人様のため、闇の一党のため、と心の中で言い聞かせながら必死で抑え付け、ひざまずいてその小さな舌と唇と口腔とで男たちの欲望を受け入れる姿勢を取った。


∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫







- ドプッ! ドプドプッ、ドプゥッ!





ー ゴク……ン……











- ドックン! ドクッ、ドクッ、ドクン……




- コクン……コクッ……









- ドピュッ! ビュックン、ビュクッ、ビュクッ……



- ゴックン……チュルッ、チュルン……





三人分もの熱いホットミルクを飲まされて、アレティノはようやく解放された。


男たちが打ち込んできた欲望の証が溜まったお腹をさすりながら、アレティノはふらふらとした足取りで部屋を出た。

激しい口腔性交を強要されたアレティノの身体は望みもしない興奮で熱く火照り、その上、唇にはいくらぬぐっても染み付いた様に青苦い匂いが残っていた。

- 精液でお腹いっぱいなんて……何か僕、すごくやらしい娘になっちゃったみたい……


与えられた任務に忠実であるためとは言え、三人の陰茎を次々としゃぶらされて、男たちの体温と体臭を味あわされ、そして喉奥へと体液を注ぎ込まれて汚されたことを想い、いつしかアレティノは歩きながら涙ぐんでいた。


∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫


結局、アレティノはドール城での任務をしばらく離れることになった。


報告を聞いたバベットは、暗殺の訓練の意図を気取らせない様に耐えたことは評価したが、このままアレティノを置いておけば無駄にドール城の兵士たちの慰み者になると判断した。


リッケ特使の世話は闇の一党の先輩に交代した。新たな美女メイドの出現にドール城の兵士たちは色めき立ったが、いかなる手管によるものかちょっかいをかけた兵士たちは容易くあしらわれ、間もなく手を出そうとする者もいなくなったという。

0 件のコメント:

コメントを投稿